【せどりで消費税は超重要】必ず理解すべき免税・課税事業者と本則・簡易課税制度【年商1000万・5000万ボーダー】

自営業は課税事業者になってからが本番である

 

せどりで稼げるようになると、気になるのが税金ですが、年々上昇する消費税については重要です。

税金って、「○○万円以上なら××」のように明確な処理方法があったりするので、中途半端に売上出すべきでなかったな。。ということもありえます。

この記事の内容はカンタンで、せどりをするなら必須知識となるので、おさえておきましょう。

 

せどりで必ず理解すべき免税・課税事業者と本則・簡易課税制度

 

消費税の前提
事業者(販売者)は商品を販売したら「商品代金に含まれている消費税分を一時的に預かっているだけ」の状態。
(なので損してるわけではなく、免税事業時代に得させて貰っていただけの話)

これが大前提の考え。

そして預かっている消費税を納めるべき事業者、納めなくてもよい事業者へ別れます。

消費税で抑えておく要点は下記4点です。

 

  • 年間売上1000万未満→免税事業者(消費税納付しなくていい)
  • 年間売上1000万超→課税事業者(消費税納付しなければならない)
  • 年間売上5000万未満の課税対象者は簡易課税制度が使える
  • 年間売上5000万以上の課税対象者は簡易課税制度が使えず本則課税となる

 

上記4点について、詳細を書いていきます。

 

年商1000万円ボーダー【課税事業者か免税事業者か】

 

課税事業者、免税事業者の判定については、確定申告をする年度の、2年前の売上に基づいて判断されます。

 

令和元年(基準期間 令和2年 令和3年(課税期間
課税売上売上1000万円超 →→→→ 課税事業者
  • 基準期間(個人事業主の場合)→課税期間(1/1-12/31)に免税事業者or課税期間事業者か判断する期間。
  • 課税期間→消費税対象となる売上期間

 

令和元年にせどりを始めた(特に後半から始めた人)なら、売上1000万を超すと令和3年の確定申告で消費税込みを払うことになります。

ガンガン売上伸ばせそうならいいですが、中途半端に1000万超えてしまうようであれば、売上を抑えるのも一つの手。

 

1000万円判定が税込、税抜どちらで判定されるのかは税込での判断。ただ基準期間のときに課税事業者であれば、税抜き売上での判断となる。

 

確定申告をする年度の、2年前の売上に基づいて判断されるといいましたが、下記のような特例があるので注意。

令和元年(基準期間 令和2年 令和3年(課税期間
課税売上1000万円以下 ※特定期間に課税売上1000万超え 課税事業者
※特定期間:申告年の前年1/1-6/30の期間のこと

この例だと、令和令和2年に1000万超えても課税対象となるのは令和4年でなく、令和3年になる。

特定期間(申告年の前年1/1-6/30の期間)に売上1000万円を超すと令和3年に消費税を払うことになります。(ややこしい)

 

消費税計算方法と納める時期

消費税額の計算方法:課税年の売上に対して係る消費税-課税年の仕入れに対して係る消費税=納付税額

計算方法はこのようになり、シンプルです。

例として、年商3000万円、仕入れ2000万円の事業者の場合だと、

300万円(売上×10%)-200万円(仕入れ高×10%)=100万円(納付消費税額)

このようになります。

消費税を納める時期は、確定申告期限と同じ3月31日まで(法人の場合は決算月の2か月後)。
規模によっては消費税の支払いは大きい額となるので、キャッシュフローに注意しておきましょう。

 

年商5000万円ボーダー【本則課税か簡易課税か】

 

次は課税事業者となり、消費税を納付する立場になったときに知っておきべきことについてです。

 

  • 本則課税の計算方法:「課税年の売上に対して係る消費税-課税年の仕入れに対して係る消費税=納付税額」
  • 簡易課税の計算方法:「売上消費税額×みなし仕入れ率=控除額」、「売上消費税-控除額=納付税額」

 

上記のとおり、消費税計算には2種類あります。

 

簡易課税の計算方法にある、みなし仕入れ率については、下記のように業種ごとに区分されています。

第一種事業(卸売業) 90%
第二種事業(小売業) 80%
第三種事業(製造業) 70%
第四種事業(その他の事業) 60%
第五種事業(サービス事業) 50%

 

せどりは小売業なので第二種事業に該当し、80%となります。(情報発信、その他で得た収入は含めない)

簡易課税計算式:課税売上に係る消費税×0.2(みなし仕入れ率80%控除)=納付する消費税額

単純な計算式としては、このようになります。

簡易課税を適用するには、下記条件があります。

    基準期間(申告年の2年前)の課税売上が5000万年以下「消費税簡易課税制度選択届出書」を課税期間の初日の前日までに税務署へ提出すること※簡易課税にすると、2年間は変更できない。

重要なことなので覚えておきましょう。

 

本則課税と簡易課税、どちらを選べばいいか例を出して考える

どちらが得なのかという点が気になるところ。
例として、年商3000万円の事業者として利益率10%~30%のパターンで見ていきます。

 

①利益率10%の場合

年商 仕入れ額 利益額 利益率
3000万円 2700万円 300万円 10%

 

↓上記条件で、それぞれ計算した場合↓

計算式 納付する消費税額
簡易課税 300万(売上×10%)-240万(仕入高×10%×みなし仕入率80%) 60万円
原則課税 300万(売上×10%)-270万(仕入高×10%) 30万円

 

 

②利益率20%の場合

年商 仕入れ額 利益額 利益率
3000万円 2400万円 600万円 20%

 

↓上記条件で、それぞれ計算した場合↓

計算式 納付する消費税額
簡易課税 300万(売上×10%)-240万(仕入高×10%×みなし仕入率80%) 60万円
原則課税 300万(売上×10%)-240万(仕入高×10%) 60万円

 

 

③利益率30%の場合

年商 仕入れ額 利益額 利益率
3000万円 2100万円 900万円 30%

 

↓上記条件で、それぞれ計算した場合↓

計算式 納付する消費税額
簡易課税 300万(売上×10%)-240万(仕入高×10%×みなし仕入率80%) 60万円
原則課税 300万(売上×10%)-210万(仕入高10%) 90万円

 

まとめると、

利益率から見る損得

  • 利益率10%→原則課税の方が得
  • 利益率20%→同じ(損益分岐点)
  • 利益率30%→簡易課税の方が得

 

このようになります。

利益率がよく、売上が大きいほど消費税の負担は大きくなります。(利益率がいい→売上と仕入れ額の差額が大きい→消費税額が大きくなる

ただし、得した金額=所得になるので、その分の税金が上がります。(まぁ所得税を加味しても、消費税の負担を軽くする方が結局は得となります。)

 

課税事業者を延期させるなら「法人化」、還付を受けるには「輸出」

消費税の納付、計算方法について書いてきましたが、納税を延期させる、還付を受ける方法が下記となります。

 

  • 個人事業主から法人成り
  • 輸出をする

 

それぞれ、みていきます。

個人事業主から法人成りで、課税事業者となるのを2年延期させる

 

自分は個人事業主から法人成りして、課税事業者になることを2年延ばしました。
法人化で税金得するという程も稼いでいなかったので、法人理由としては課税事業者延期できる点が大きかった。

 

個人事業主から法人成りするタイミングとしては下記。

令和元年(基準期間 令和2年 法人1期-2期 法人3期
課税売上1000万円超 ここで法人化 免税事業者 課税事業者
個人事業主のように1/1-12/31とではなく、設立月によって決算月は変わるので第一、第二期は免税事業者という解釈でOK。

 

2年消費税の支払い伸ばせるのはかなり大きい。
(自分は法人化してなかったら、今期でそこそこの消費税取られてた。。)

消費税延期できるメリットだけ見るのでなく、法人化すると個人事業主で受け入れていた控除などが受けられないものもあるので、トータルで判断しましょう。

消費税だけでいうと、個人事業主から法人成りすると2年伸ばせるという話なので。

 

輸出が得をしているのは「還付加算金」

 

もう一つは輸出です。

自分は輸出していないので、詳しくは控えますが、シンプルに仕入れた金額に対して消費税の還付を受けることができます。

売上 1000万円 売上の消費税なし
仕入れ 500万円 仕入れ消費税50万円

この条件だと、

売上で預かった消費税0円仕入れ時に消費税50万円負担している負担した消費税に関しては還付されるので50万円還付される

という感じで、販売に対して消費税を一切預かっていないのに、仕入れ時に消費税を負担しているのみなので、負担した消費税分は還付してもらえるということになっています。

輸出許可書等の書類保管、消費税免税事業者でないことなどの一定の条件があり、自分から申請を行わないと還付されないので注意。免税事業者でも、「消費税課税事業者選択届出書」の提出をすれば課税事業者となり輸出還付の対象者となることも可能。

 

消費税が還付されるって、めっちゃ得じゃん!っておもうかもですが、実はそうでもありません。

 

  • 国内:100万円(売上消費税)-50万円(仕入れ消費税)=50万円(借りていた消費税を返すイメージ
  • 輸出:0円(売上消費税)-50万円(仕入れ消費税)=-50万円(立て替えていた消費税を返してもらうイメージ

 

販売額が同額の場合、キャッシュフロー自体は全く変わらないので、単純に還付があるからといいて輸出還付が得をしているわけではありません。
得をしている部分は「還付加算金」に関してです。これについてはシンプルにプラスになりますね。

還付加算金(非課税)とは還付してから数か月後に還付実行してもらうまでの期間に対して貰える利息のこと。

海外発送だと送料も高くなりますし、為替レートの影響を良くも悪くも受けるので、総合的に参入すべきと判断できればありではないでしょうか。

輸出については、自分が実践している分野でもないので表面的な知識しかないので、この辺りで終わります。

 

色々書きましたが、要点をまとめます。

 

  • 年商1000万超えた年の、2年後から課税事業者となる
  • 年商5000万を超えると簡易課税は使えないが、原則課税と比較してどちらが得かはケースバイケース
  • 個人事業主から法人成りすると、消費税が2年免除される
  • 輸出すると消費税が還付されると聞くと得していると錯覚するが、実質のキャッシュフローは国内と同じ

 

あと頭に入れておきたいのが、2023年10月1日より、インボイス制度が開始されること。

ここでは説明を割愛しますが一言でいうと、「消費税免税事業者撲滅させる」といった個規模フリーランスを狩りにきたナゾ施策です。

インボイス制度については、詳しく説明されているサイトや動画があるので是非確認を。

事業運営は攻めと守りを上手くやっていきましょう!!

 

 

 

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