在庫に税金はかかりません。
個人事業主は年度末になったら節税のために在庫を減らしましょう!
と、よくいわれますが在庫金額を減らす=節税ではありません。
【在庫に税金はかからない】せどり確定申告の棚卸在庫を減らす2つの基準
年度末・期末に在庫をへらす理由はざっくりと2つ。
- 現時点で赤字、数か月先も利益が見込めない商品の赤字処分
- 2~3か月後に納める税金のためにキャッシュフロー改善
税金がふえるのは、利益がふえたときのみです。
在庫ふえる=税金ふえる
という解釈になりがちなのは、計算式をサラッとみただけでは勘違いしやすいからだとおもいますが(自分も当初、勘違いしていた時期があります)、計算式をみていきましょう。
※売上原価→繰越在庫高+仕入高-期末在庫高(売れ残った在庫の金額)
この計算式を展開すると、
となり、在庫額ふえる→利益ふえる→税金ふえるにみえますが、在庫ふえる=仕入れ高もふえているので、利益もふえなければ税金もふえません。
在庫ふえても仕入高もふえるので、利益は相殺されているわけですね。
簡易パターンをあげてみます。
✅年度末12月に100万円の仕入れをし、まるまる在庫を残したパターン
年度末12月に100万円の仕入れをし、まるまる残ってしまった場合、
ということになり、利益0円=課税額0円となります。
✅年度末12月に100万円の仕入れをし、利益をとって50万の在庫を販売したパターン
では、先ほどの例で100万の在庫を少しでも減らさないと税金あがる!
という解釈で利益率20%で50万円を販売したとします。
当然、在庫を販売しても、このように利益がでれば節税どころか税金がふえます。
ということで、
年度末、決算時に節税目的で在庫へらすのは赤字の損切り商品のみとなります。
- 在庫へらして税金さげよう→×
- 不良在庫、赤字商品を損切りして利益減らして税金さげよう→〇
このように解釈しておきましょう。
保管コスト、税金支払いもかんがえると黒字商品でも処分が最適なケースあり
赤字販売で利益へらせば節税になるという話をしましたが、商品個あたりが黒字でも、年度末・期末に処分するのが最適なケースがあります。
- 個あたりで利益とれても、保管コストの方が高くつく
- 現在利益なく、数か月先に利益とれる寝かせしているが、精度がビミョー
- 2~3か月先の税金支払いのキャッシュに余裕なし
売れやすい12月が事業締めの個人事業主なら、こういったケースの商品を一気にキャッシュ化してしまうのも大いにアリです。
税金、在庫保管コストにかんしては、見えずらいですが油断すると足元すくわれるので。
というわけで、まとめです。
- 在庫額=税金ではない
- 在庫をへらして利益を出せば逆に税金ふえる
- 在庫をへらして節税できるのは赤字売りのみ
- 赤字でなくても保管コストやキャッシュフロー観点で薄利orトントン商品の処分は検討すべき
利益商品なのに、間違った解釈で在庫処分を急ぐあまりに利益率さげたり、赤字処分するのは身も蓋もないのでしないようにしましょう。
年度末、期末に在庫をへらす=節税ではないですが、税金おさめるキャッシュ面も考えると、在庫をへらすとしてはいいタイミングなので、自身にあった戦略でいきましょう。
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